ああそれにしてもセ○クスがしたい......!

 「自分は女に飢えている。」この書き出しから始まるのは武者小路実篤の小説「お目出たき人」である。僕も女に飢えている。3月某日に女を知ってというもの、もう丸半年も女の肌に触れていない。というかろくに女と喋ってすらいない。それもこれも公的抑圧が悪い(詳しくは下記参照)。

 

pkd-straysheep.hatenablog.com

 

 奴のせいでいまだに例の彼女との関係は最悪である。僕のツイートはミュートされており、たまにクソくだらないリプライを送ってみるが反応のあったためしがない。DMで水面下の交渉を続けているが、会う約束はもう三回も反故にされた。まるで冷戦だ(ブログの件以後、彼女との一ヶ月の禁酒の約束を破ったり、オフパコ関連のキモいツイートを連発して彼女にリムーブされたりはしたが、そんなことは瑣末事だ。僕には何の咎もないはずだ。全部公的抑圧が悪い。)。彼女と会うことはもう二度とかなわないかもしれない......。

 というわけでセックスしようにもパートナーがいない。ところでこれは僕のブログである。現実はままならない。クソだ。クソの塊だ。だが妄想なら何とでもなる。そこでいっちょ僕の貧困な想像力を働かせてみる。

 やはり手軽なのはインターネットだ。女性フォロワーも増えてきた。手当たり次第「オフ会しませんか?」とDMを送ってみたら何人かは会ってくれるだろう。しかしツイッターのナオンには彼氏がいる。この率は僕の界隈では100%に近い。まず良い雰囲気になることはないだろう。現実は非情である。しかし今ここは僕の妄想である。なので彼氏のいないメンヘラナオンと会うことにする。待ち合わせはどこにしようか? あいにくと僕は東京の地理に明るくない。とりあえずツイのナオンのよく行きそうな池袋にしよう。場所は池袋だ。季節は夏が良い。午後3時。向こうから彼女がやってくる。服装は白無垢のワンピースだ。僕の好みに合わせ黒髪のミディアムで童顔のBカップである。そこ! キモオタくさいとか言うんじゃない! 

 「ごめんなさい。あの、待ちました?」

 「うんうん、全然待ってないよ。じゃあ行こうか。」

 僕らは微笑みあいながらオシャレなカフェに入る。僕はオシャレなカフェに入ったことがないので内装の描写は勘弁してほしい。とにかくオシャレなカフェだ。オシャレなカフェだがそこは喫煙者の僕に配慮して煙草が吸える。しかも立ち込める煙草の煙に誰も嫌な目つきで睨めつけたりしない。なぜならこれは僕の妄想なのだから。

 たあいない雑談をいくらか交わしたのちオシャレなカフェを後にする。日も暮れかけ僕らはバルに入る。なんとなくオシャレな響きがするからバルと言ってみたが酒が飲めればなんでも構わない。ようは酔わせりゃ勝ちである。そしてここで僕の伝家の宝刀頭ポンポンが炸裂する。(詳しくは下記の公的抑圧のブログ参照)

 

俺も救われるだろうか? - 妄想サンバ

 

 バルを出る頃にはもう二人は恋人気分である。僕は彼女の手を握る。彼女は僕に肩を預けてくる。

 「えへへ酔っちゃった~」

 そして二人の足はごく自然にホテルへと向かう。部屋に入ると彼女はおもむろにデパスを取り出す。彼女は4粒押し出しそれらを手洗い場の水で飲み、僕にも勧めてくる。

 「あ~なんかふわふわしてきちゃった。服脱いじゃうね。」

 薄いピンク色の下着姿になった彼女の肢体には生なましい切り傷が無数に刻まれている。僕も下着姿になり二人はベッドへと飛び込む。彼女は僕に首を締めるように要求する。僕は恐々としながら彼女の首に手をかける。生唾を飲み込む。少しずつ指に力を込めていく。

 「もっと強く締めていいよ」

 頭がクラクラする。彼女の身体は白く現実感を喪いまるでマネキンのようだ。顔だけが赤く存在を主張している。今何時だろう? ふとそんなことが頭によぎる。彼女の表情には恍惚と苦悶が入り混じっている。前髪の生え際のあたりから汗が流れ出す。かすかに彼女の体臭が鼻をかすめる。次の瞬間彼女は僕の脇腹を思いっきり何度も強く叩きつける。僕はそれがギブのサインだとわかり指に解放の指令を送る。彼女は息を一度大きく吸い込みそれから堰が切れたように嗚咽した。どうやらやり過ぎてしまったらしい。

 「ねぇ......なんで生きなくちゃならないんだろう......?」

 彼女の涙はいつからか本降りになり僕は彼女を抱きしめる。その刹那僕は思う。彼女は僕が守らなくちゃならない。なんか初恋の女の時もこんなことを思って手痛いしっぺ返しを食らったような気がするが今は気にならない。そうだ! これが真実の愛だ! 僕はついにたどり着いたのだ。世界にはもう君と僕しかいない! これからは二人で暮らそう。嫌なこともつらいことも死にたい夜も全部まとめて抱きしめてあげよう。僕らは、僕らは、僕らは......!

 

 

 

 ............今僕はパソコンのモニター以外明かりのない室内でキーボードを打っている。

 

 ああそれにしてもセックスがしたい......!